第309章

「そんなはず、ある?」

 丹羽光世が言った。「川崎正弘のほうは間違いなく「普通」だ。普段はだらしないだけでな。それにあいつ、水原刃とはちょっと縁続きで、言えば兄弟みたいなもんだ」

 島宮奈々未はふっと腑に落ちた顔になり、笑った。

「なるほどね。うちの従妹、また丸め込まれたか。今、川崎正弘と水原刃が「そういう関係」だって本気で信じてるのよ。前に野呂栞が局で働くって決めたのも、水原刃の顔がドストライクだったからだし。たぶん川崎正弘はそれを利用して、栞をうまく乗せたのね」

 けど――なんで川崎正弘が、野呂栞が誰に惚れたかなんて気にする?

 そこが、どうにも引っかかる。

 丹羽光世は短く...

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